突然の診断から始まった日常の変化
長女が小学5年生のとき、病院で「側弯症(そくわんしょう)」と診断されました。
背骨が左右に曲がってしまう病気で、成長期の子どもには少なくありません。
しかし、実際に我が子が診断されたときの衝撃は大きく、
親として何もできない無力感に包まれました。
それから、矯正用の装具をつけて生活する毎日が始まりました。
お風呂の時間以外はずっと装着しなければならず、
しゃがむことも、寝返りを打つことさえも苦しそうでした。
特に夏場は装具が目立ち、周りの視線が気になる時期。
同じクラスの男の子に心ない言葉をかけられたこともあり、
それ以来、少しずつ元気を失っていきました。
集中できなくなり、勉強も手につかず、
目指していた中学受験も断念せざるをえませんでした。
それでも「頑張らなくちゃ」と自分を奮い立たせようとする姿が、
見ていて痛いほど切なかった。
中学生になってからは、学校に行くことも難しくなり、
カウンセリングでは「うつ状態」と診断されました。
彼女は、“期待に応えられなかった”ことをずっと気にしていたようです。
その優しさと責任感の強さが、彼女の心を追い詰めていたのだと思います。
それでも、時間をかけて少しずつ変化が見えてきました。
装具の効果が現れ、担当医から「手術を回避できそうです」と言われた日。
その瞬間、胸の奥からこみ上げてくるものがありました。
中学受験なんてどうでもいい。
学校の成績なんて、比べものにならない。
彼女が、恐怖と不安の中で毎日を生き抜いた――
その事実が、何よりも尊く、誇らしく思えました。
手術の恐怖に怯えながらも、自分の体と真っ直ぐに向き合い、
少しずつ前に進んでいく長女の姿は、
私に「人の強さとは何か」を教えてくれました。
この経験を通して思うのは、
“頑張り”には形がなくてもいいということ。
見えない努力の積み重ねこそが、人を支え、家族をつないでいくのだと感じています。
長女が見せてくれた小さな勇気が、
誰かの「もう一度やってみよう」というきっかけになれば――
そんな思いを込めて、この記録を残します。

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